2012年10月10日水曜日

竹内弘高・楠木建「イノベーションを生み出す力」

竹内 弘高 (著), 楠木 建 (著)
「BBT ビジネス・セレクト4 イノベーションを生みだす力 (BBTビジネス・セレクト) (単行本)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4777105148/>
単行本: 181ページ ; 出版社: ゴマブックス (2006/12/15) ; ISBN-10: 4777105148 ; ISBN-13: 978-4777105144 ; 発売日: 2006/12/15
[書評] ★★☆☆☆
 同シリーズの第3巻では、アントレプレナーシップを新しいことを始めたり、イノベーションを起こす力(実行力)について語った。 本書(シリーズ第4巻)では、そのイノベーションについて語る。イノベーションには様々な種類のものがあるが、 本書で注目しているものは、コモディティ化してしまった商品に関するイノベーションだ。すなわち、売れる・売れないを決める価値軸は価格のみになってしまっている商品に、 新しい価値軸を与えて差別化を行い、利益率を上げるというものだ。
 本書で実例として示されている企業は、サウスウエスト航空とスターバックスである。
 多くの航空事業が長距離化による収益力向上を目指しているのに対し、サウスウェスト航空は、中・短距離の航路、しかも地方都市の間の便数を充実させ、 今まで無かったマーケットを作り出した。 勿論、余計なサービス等、コスト増につながるものは潔く切り捨てている。しかし、それによって非常に高いコスト競争力を実現している。
 スターバックスは、それまでドーナツか何かのお供にすぎなかったコーヒーを、 「ホッとできる場所の提供」「家・職場に次ぐ第3の場所の提供」というコンセプトで提供し、 新たなコーヒーの飲み方・楽しみ方を提案した企業である。スターバックスについては優良企業として、数多くの文献があるが、本書は他の企業と比較してどうか、という点は非常によくわかる。
 悪い本ではないが、イノベーションに関する本が数多く出版されている昨今、その本のリストに加える意味があるほどの本かと言われると、そこまででは無いと思われる。 同シリーズにイノベーションに関する本も入れたかったのだろうが、 同テーマに関する本を1~2冊読んだことがある人には、お金を払って買い、時間を使って読む程の価値は無いかも。

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