2012年10月4日木曜日

赤池学・金谷年展・中尾政幸「心に火をつける人、消す人」

赤池 学・金谷 年展・中雄 政幸 著
「心に火をつける人、消す人」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4484002035/>
単行本 ; 出版社: TBSブリタニカ、ISBN: 4484002035 ; (2000/02/09)
[書評] ★★★★★
 本書の主題は一種の教育論である。 子供に受動的に知識を伝授するのではなく、 子供が主体的に色々な物事に興味を持ったり問題意識を持つのを助けるための方法論の提示である。 先進国や発展途上国のうち何か国かで実際に行われている、 子供が自主的に活動をしている事例を挙げ(本書の言うところの、 教育のあるべき姿であり、子供が主体となったこのような活動により、 社会も良くなると説いている)、このような活動を促進する/阻害する社会的・家庭的要因を挙げ、できるだけ多くの子供にこのような教育を受けさせるために出来ることを提案している。
 日本の画一的教育の問題点も掘り下げており(知識の伝授には非常に効率の良い方法だが、 子供に何かに興味を持たせたり問題意識を持たせるには適していないと言い切る)、 読者の問題意識を駆り立てる。
 高度成長期・ベビーブーム時代に育った子供は、 画一的教育で効率的に「教育」しなければならなかったのが現実的な問題だと思うのだが、 少子化の進む今日、子供1人ひとりに合わせた教育というのは可能なのではないだろうか。 日本では大人と子供の人口構成の逆転が起こり、今や子供は社会の貴重品である。 子供の個を尊重し、何かに興味を持つ子供を伸ばす教育、 問題提起とそのために子供のうちから活動を起こすのをサポートするような教育というのは、10年・20年前では現実的ではなかったかも知れないが、今では可能なのではないか。また、これからの日本を支える世代の人口が少ないということは、この世代の教育レベル・意識レベルを今以上に高くする必要があるのではないか。
 なお、本のタイトルから予想していたのと全然違う内容だったが、この本の伝えようとしていることは、一般化されたコーチング論に他ならない。そういう意味で、教育に携わる人以外が読んでも得るものは多いと思う。

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