2012年11月29日木曜日

石井茂「ハイゼンベルクの顕微鏡」

石井 茂 (著)
「ハイゼンベルクの顕微鏡~不確定性原理は超えられるか」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4822282333/>
単行本: 272 p ; 出版社: 日経BP社 ; ISBN: 4822282333 ; (2005/12/28)
[書評] ★★☆☆☆
 タイトルの通り、不確定性原理を越える理論の出現(?)について述べる。 量子力学と相対性理論は20世紀の物理学の礎となった。 特に量子力学は、これ無くしてはコンピュータも携帯電話も動かないと言えるほど、 我々の生活に深く関わっている。
 ところで、この量子力学では対象物の位置・速度の両方を同時に正確に知ることはできないという、 測定・観察の限界を示す「不確定性原理」がある。 本書は、この不確定性原理を超える理論が日本発で出てきそうだ、ということを書いている(「小澤の不等式」)。そもそも、ハイゼンベルクの理論の基となった仮定自体が間違っていたというのだ。
 前作「量子コンピュータへの誘い~きまぐれな量子でなぜ計算できるのか~」でもそうだったが、 冒頭で概要を述べた後は本論に至るまでの多くのページをバックグラウンドの説明に費やされており、 本論にたどり着いた時はいささか息切れ気味、また本論も議論が不十分で消化不良の感がある。このバランスは今回も不満だ。おそらく非専門家を想定読者として書いているのだろうが、そもそも専門から遠い人はこんな本(という言い方は失礼だが)は読まないだろう。 想定読者とそレベルの設定自体に無理があるのではないだろうか。 内容自体はソレナリに面白かったのだが、…★2つ。

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