2012年11月25日日曜日

都筑卓司「不確定性原理」

都筑 卓司 (著)
「新装版 不確定性原理―運命への挑戦 (ブルーバックス) (新書)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4062573857/>
新書: 270ページ; 出版社: 講談社 (2002/09); ISBN-10: 4062573857; ISBN-13: 978-4062573856; 発売日: 2002/09
[書評] ★★★★☆
 20世紀に花開いた物理学の一領域・量子力学において、 常人がなかなか理解できない「不確定性原理」というものを分かりやすく説明する。
 いきなり「巨人の星」の「大リーグボール2号」を量子的粒子の挙動に なぞらえるなど、一部無理な展開(?)もあるが、 原子レベルの粒子で「運動量」と「位置」は確定できないよ、ということを感覚的に捉えやすく書かれている。
 私としては、その表現もさることながら、 人間に代表される生物の大きさは「不確定性原理」と「相対性理論」から おのずと決まる、云々のくだり(264-265ページ)が大変興味深く読めた。 成程、こういう捉え方もあるか、と。もし人間が不確定性原理の影響を受ける位に小さかったらどうなるか、あるいは相対性理論の影響を受ける位に大きかったら…考えるだけで頭の体操?になる。
 本書も旧版(1970/05)の改訂版だが、 物理学という厳然とした存在を、 素人にも解り易く説明する筆者・都筑氏の力はすごいと思う。 興味のある人にとっては良書だと思う。

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