2012年7月2日月曜日

梶原一明「トヨタウェイ―進化する最強の経営術」

梶原 一明 (著)
「トヨタウェイ―進化する最強の経営術 (単行本)」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4828409912/>
単行本: 270ページ ; 出版社: ビジネス社 (2002/06) ; ASIN: 4828409912
[書評] ★★★★☆
 本書は、張富士夫氏がトヨタの社長をしていた時に、 張社長から全トヨタ社員に向けて出版された本。 本書は、トヨタウェイの詳細について詳細に研究・編纂した本ではないが、 当時の経営最高幹部から社員に向けられたメッセージという意味で、その真髄がよく伝わるように書かれている。また、本書はトヨタ社員向けであると同時に、トヨタという会社が存在している社会に対するメッセージでもあろう。
 トヨタウェイに関する本としては、 米国ミシガン大学のジェフリー・ライカー教授が国も企業も外部という視点からまとめた「ザ・トヨタウェイ」、「ザ・トヨタウェイ 実践編」が有名だ。ライカー教授の本はトヨタの外の人間がトヨタの強さについて研究し、まとめたものであるのに対し、 本書はトヨタを強くするための哲学(フィロソフィー)、 経営者のハートまでが伝わる本である。また、大野耐一著「トヨタ生産方式」がトヨタの生産方式に特化した本であるのに対し(これも非常に勉強になる本だ)、 本書はその底流と、トヨタの考え方のより新しい知恵を知ることが出来る。
 経営最高幹部から一般社員とその家族、 企業をとりまく社会へのメッセージという意味で、 本書は全ての会社経営者たちと、経営者の視点で物事を見ている人たちの役に立つだろう。 良書。

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