2012年7月19日木曜日

ダニエル・ピンク「ハイ・コンセプト―「新しいこと」を考え出す人の時代」

ダニエル・ピンク
「ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代 (単行本) 」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4837956661/>
単行本: 349ページ ; 出版社: 三笠書房 (2006/5/8) ; ASIN: 4837956661
[書評] ★★★★☆
 故ドラッカー教授の言う「知識社会」の次の時代が来ているぞ、という話。
 産業革命以降の大量生産時代、人々は体力や手先の器用さでメシを食っていたが、20世紀の終わり頃から現在にかけて、知識の時代が到来した。 故ドラッカー教授が言うところの「ナレッジ・ワーカー」が時代の中心である。ナレッジ・ワーカーは、大学で学んだ知識や、その後学んだ知識でメシを食っている。ナレッジ・ワーカーの労働内容は、左脳型活動である。
 しかし、これからは、大量生産は機械や労働単価の安い地域で行われる仕事となり、 先進国では立ち行かなくなるという。また、頭脳労働も、低次の頭脳労働は、計算機がやるようになる。 中位の頭脳労働は、やはり労働単価の安い地域のホワイトカラーが仕事を持って行ってしまうという。 例えばマイクロソフトやインテルがインドに研究所を置き、インドの優秀で低賃金のホワイトカラー層を使って、次期の商品開発を行っているのは有名な話である。
 このような時代、欧米や日本などの先進各国の知識層は、 計算機やインドのSEなどに出来ないことをやらないと、メシが食えなくなる。これからは、異種の物を組み合わせたり、新しい物を考え出したりすることや、 人のメンタルに訴える物事が重要になる。 仕事の内容は、左脳型+右脳型のハイブリッドな活動となる。
 いわゆる流行本なので、どうかなぁと思っていたのだが、読んでみると結構面白い。 大前研一が翻訳しているので、 「エクセレント・カンパニー」張りに変な日本語じゃないかと覚悟(期待?)していたが、ちゃんと読みやすい日本語になっていました。ちゃんちゃん。

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