2012年7月6日金曜日

ジェフリー・ムーア「エスケープ・ベロシティ―キャズムを埋める成長戦略」

ジェフリー・ムーア (著), 栗原 潔 (翻訳)
「エスケープ・ベロシティ キャズムを埋める成長戦略 [単行本]」
<http://www.amazon.co.jp/dp/4798125008/>
単行本: 262ページ; 出版社: 翔泳社 (2011/12/14); 言語 日本語; ISBN-10: 4798125008; ISBN-13: 978-4798125008; 発売日: 2011/12/14
[書評] ★★★★☆
 G・ムーア氏のキャズム論(「キャズム」「ライフサイクルイノベーション」「トルネード」)の最新作。 「キャズム」を超えて成長するために企業が行なうべきことをまとめた本。
 企業の経営には「慣性」が働いている。 前年度に倣った年度計画、今までの路線から大きく外れない方針、…。しかし、そのような経営に偏ると、新製品を「キャズム超え」させることが難しくなる。 慣性の働いた経営から脱し、新製品を「キャズム超え」させる為に必要な速度(「エスケープ・ベロシティ」)を得るため為すべきことを、かなり具体的に書いている。
 市場(マーケット)は数年に1度、何らかのキッカケで市場が地殻変動を起こす。この時、千載一遇というタイミングで、市場が広がる。 従来通りの慣性に従って経営していたのでは、このような千載一遇の波に乗ることは出来ない。どのように立ち振る舞ったら良いか? 本書は、そんな疑問に対して大きなヒントをくれる。
 G.ムーア氏の著書、①「キャズム」、②「ライフサイクル・イノベーション」、③「トルネード」とともに、 志ある企業人は「読むべし!」


 なお、これらのG.ムーア氏の著書は、ハーバード大学、スタンフォード大学、MITなどで教科書として使われている。すなわち、これらの内容は、「業界の常識」になっているということである。G.ムーア氏のキャズム論に代表されるマーケット論のコンセプトを知らないこと自体が、 大きなディスアドバンテージになってしまう。 企業の研究開発メンバーであっても、マーケティング担当であっても、 新製品を生み出す業務に携わっている全ての人にとって必読の書と言えるだろう。

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